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LOOMは、震災の年に生まれた子供達が成人する20年後迄に南三陸町に3000本の桜を植え、「南三陸を東北一の桜の名所にしたい」という「KIBOU」から生まれた活動「桜プロジェクト」を推進してまいりました。

なぜ、わたしがこのようなエモーションをもったかと言えば、2011年3月11日に発生した大地震のあと、原発の問題もあり、欧米の多くのファッションブランドが日本の店舗を一時的ではあるもののクローズし、本国に避難してしまったことに、グローバルなファッションビジネスに関わってきた自分の立場からショックを受けたことにあります。

ファッション産業に関わる一人として、被災地のために何かできないか、何かしなくてはというエモーションが湧き起こりました。そんなとき、仕事でお世話になった被災地である気仙沼の友人と電話で連絡が取れました。

その方は「加賀美さん、津波で全て流されてしまったけれど、庭の桜が咲いたんだよ。加賀美さん、来年もきっと桜が咲くよね。」とおっしゃっいました。わたしは「きっと咲きますよ」と返しましたが、同時に私の心に浮かんだのは、桜が希望の象徴なのだということと、パリに仕事で滞在していた時に見たワンピースの「冬に咲く、奇跡の桜」という物語です。この物語も桜が希望の象徴として描かれていました。

桜は鎮魂の木としても知られています。わたしは、被災地の未来の復興への希望と鎮魂のために、被災地に桜の植樹をさせてもらえないだろうかと考えるようになりました。そんな私の思いが通じたのか、私の個人的なご縁を通じて、津波で甚大な被害を受けた南三陸町の方と知り合うことになります。

ご縁ができた南三陸町の方から教えていただいたのが、南三陸町で生産された着物のシルク生地が、フランスがファッション舘を最初に作ったときのパリ万博に出品し、金賞を受賞した事実です。そして、そのパリ万博のファッション館の館長が、私が長年関わってきたパリのファッションブランド、ランバンの創業者、ジャンヌ・ランバンであったのです。この不思議なご縁は、わたしにはジャンヌ・ランバンが「由加里、南三陸の復興のお手伝いをしなさい」と言っているように思えました。

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わたしは「KIBOU311」をキーワードにした桜の植樹プロジェクトを立ち上げようと決意します。そして、さまざまな人々との出会いを通じて、「KIBOU311」プロジェクトの推進が現実となります。

2012年当時、わたしはフランスの生地商社、ドーメルの日本支社の代表を務めていました。私の想いと「KIBOU311」プロジェクトのアイデアをドーメル本社の代表であるドミニク・ドーメル氏に伝えたところ、彼は私のエモーションに共感し、ドーメルの170周年記念で日本上陸100年となる2012年に、ドーメルを象徴する最高の生地であるトロピカル・アマデウスを使った特別なバンチ(生地見本)「KIBOU311」を作り、その生地1mの販売に対し、1ユーロの桜の植樹に対する寄付をするという決断をしてくれたのです。この活動は、日本だけでなく、グローバルなマーケットを対象としたものでした。

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下の写真は、2012年2月2日に東京で行われたドーメル170周年を記念するパーティーでの一コマです。このパーティーには南三陸町の佐藤仁町長も駆けつけてくださいました。

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そして、ファッションディレクターの赤峰幸生さんも私のエモーションに賛同してくださり、日本のファッション産業の代表的企業にKIBOU311プロジェクトへの参加を促してくださいました。その結果、オンワード樫山、三陽商会がLOOMサポーターとなってくださり、プロジェクトへの寄付だけでなく、2012年から始めた桜の植樹にも毎年ご参加くださいました。

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また、KIBOU311プロジェクトには、ドーメルのお客様である全国のテイラーの方々もご賛同くださり、多くの紳士にKIBOU311の生地を使ったスーツのご提供をしてくださったことにも、改めて感謝を申し上げます。

KIBOU311プロジェクトには、ここでは書ききれないほどの多くの方々にご賛同をいただくことができ、震災翌年の2012年から桜の植樹を開始し、2025年までの約13年間、桜の植樹活動を続け、2025 年 3 ⽉ 11 ⽇時点で⽬標である 3,000 本の桜苗⽊の寄付を達成することができました。

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しかしながら、南三陸町とわたしとのご縁ができ、3,000本の桜の植樹という目標を達成できたのも、南三陸町の佐藤仁町長、故高橋長偉名誉町民をはじめとした南三陸町の方々、特に南三陸山林組合の皆様や地元企業のアストロテックの佐藤秋夫さんのおかげです。

そして、植樹を始めた当初からのLOOMサポーターであるドーメルやそのKIBOU311プロジェクトに賛同してくださった全国のテイラーの皆様、KIBOU311の生地を使ったスーツを仕立ててくださった世界中の紳士、淑女の方々、オンワード樫山様、三陽商会様、サンモトヤマ様、ヤマニ様に加え、その後、LOOMサポーターに加わっていただけた豊島様というファッション産業に関わるLOOMサポーターの皆さまの長年にわたるお力添えのおかげです。

改めてLOOMサポーターの皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

サポーターの皆さまと共に南三陸に「KIBOU の桜」を植樹し共に成⻑を⾒届けたことは、 きっと南三陸町の⽅々の記憶にも残っていると思っております。
「桜プロジェクト」及び LOOM NIPPON としての活動は終了致しますが、私は今後も 植樹した桜の成⻑する姿を⾒届けて参ります。
 
南三陸町のLOOMの3,000本の桜が満開となる季節に、LOOMサポーターの皆様やドーメルのKIBOU311の生地でスーツを仕立てていただいた紳士、淑女の方々が南三陸町を観光で訪れる日が来ることを願っております。

LOOM NIPPON 代表 加賀美 由加里

 

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ドーメル社は1842年に英国から毛織物を輸入してフランス国内で販売することから始まり、現在80ヶ国に輸出をするワールドワイドな世界有数のウールンマーチャントです。ドーメル社はバリ郊外に本社機能を集中させ、企画デザイニングからコンピュータ管理された輸出入業務、原反・製品・付属品などの倉庫管理などの業務全てを行っています。パシミナ(PASHMINA)素材を使用した超高級品もトップテーラー・有名百貨店にて販売取扱いされています。現在ドーメル社は、ドミニク・ドーメル社長を中心に有能なスタッフで運営され、高品質のドーメルコレクションの提供に邁進しています。

 

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オンワード樫山は、「人々の 生活に潤いと彩りを与えるおしゃれの世界」を事業領域に定め、「ファッション」を生活文化として提案することによって新しい価値やラ イフスタイルを創造、人々の豊かな生活づくりに貢献することを経営理念としております。 現在、「ブランド軸経営」を 基本戦略に、『23区』『組曲』『五大陸』など基幹ブランドのさらなる強化による既存事業の拡大を図っていくとともに、新たな領域への事業拡大を推進しています。今後も、新しい価値を追求、“ワクワク” “ドキドキ”という高揚感を提供し、お客様に感動を与え続けていきます。
 

 

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三陽商会は設立70年周年を機にタグライン「TIMELESS WORK.ほんとうにいいものをつくろう」を策定しました。 いつの時代にも変わらぬ価値のあるものづくりを目指します。「エポカ」「マッキントッシュ フィロソフィー」「ポール・スチュアート」など様々なブランドで多くのファッションファンの心をつかんでいます。

 

ポールス・チュアートとLOOM NIPPONの共同企画について

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株式会社ヤマニは、1941年創業のバッグ業界トップクラスの老舗企業です。ファッションを楽しむ人たちの装いを充実させる財布やハンドバック、ゴルフバッグ、ゴルフウェアのオリジナル製品を企画製造、有名海外ブランドのライセンス事業も手掛け、大手百貨店、専門店、オンラインショップやセレクトショップなどの販売店にクオリティの高い製品を供給しています。なお、ヤマニの全面的なご支援のおかげで、南三陸の企業アストロテックが製造するLOOMバッグの発売が実現しています。

 

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豊島株式会社は1841年創業。180年の歴史の中で、時代の変化に応じて事業領域を拡大。現在では世界各地から原料・糸・生地の買付け・販売や、最終製品の企画から生産管理、納品まで一連のプロセスを手掛けファッション産業のあらゆる過程において総合的に事業を展開しています。また、持続可能なライフスタイル提案企業としてさまざまなサステナブル素材の開発と提供、そしてテックベンチャーへの投資やスマートウェアの開発を推進しています。オーガニックコットンを通して、みんなで“ちょっと(bits)”ずつ地球環境に貢献しようという想いから始まったプロジェクト「オーガビッツ(ORGABITS)」を通じて、LOOMが南三陸で実施する桜の植樹をサポートいただいています。